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危ない経営者の見分け方

 懇意にして頂いている弁護士の先生で、破産申立や民事再生申立のほか、裁判所からの依頼で多くの破産管財人や民事再生手続における監督委員などに就いておられる先生とお話した記録です。経営破綻を起こす経営者には、どのような特徴があるのかが、二人の対話の中で見えてきました。次に掲げるような経営者が取引先にいたら要注意です。

①自分で経営する意欲が感ぜられない経営者
 老舗の二代目、三代目社長に見受けられるが、部下に経営を任せきりで、会社経営にほとんど無関心である経営者には困ったものです。(弁護士談)
 比較的大きな企業に多いように思われますが、営業にのみ関心のある経営者や節税・原価管理と言った狭い範囲に限って、異常な関心を持っている経営者なども、これに該当するでしょう。経営者(社長だけでなく役員や幹部)は経営活動全般にバランス良く関心を持っていないと現在の厳しい経済環境に勝ち残っていけないでしょう。(私)

②公私の区別が出来ない経営者
 中小企業の社長の中には、一応会社組織にしているが、個人事業主の感覚で経営し、会社のお金をすべて自分個人のお金と勘違いしていて、自分の趣味等(特定の事業部門に力を注ぐことも含む)に会社のお金を浪費している経営者は経営破綻を起こしがちです。(弁護士談)
 自分の趣味のもの、私を例にとれば楽器やCDを会社のお金で買うことだけではありません。偏った事業投資もこれに類するものです。ただ、「仕事が趣味だ!!」と言えるほど、ご自分の経営される会社の事業に惚れ込んでおられる方は、業績を伸ばしておられますね。(伊藤)

③現実の世の中の動きについて行けない経営者
 年配の経営者に見受けられるが、一つのビジネスで当たった過去の成功体験にしがみつき、消費者の変化に対応できない経営者は早晩衰退してしまう。(弁護士談)
 市場の移り変わりは早いものです。市場の求めるものは年々変化しており、定番品を扱う事業であっても変化に敏感に対応される方でないと勝ち残れないですね。(伊藤)

④冷静に市場に向き合えない経営者
 若い経営者にありがちであるが冷静に現実の需要・市場動向を分析できず、売りたい、売れるはずだという主観的思い込みのみで投資する経営者は、スタート時点で間違っている。(弁護士談)
 ③と同じで市場動向に敏感で自社の製品・商品の市場における位置づけを客観的に把握されないとビジネスはうまくいきません。(伊藤)

⑤自分の会社が見えていない経営者
 自社の強みがわからず、強みが生かしきれず、自社の弱いところも見れず、具体的な対策がとれない経営者は失格です。(弁護士談)
 傍目八目で取引先や同業他社のことになると良い点悪い点が見えているのに、自社のことになると、うまくその特徴がつかみきれていないものです。(伊藤)

 公認会計士としての会計監査や税理士としての税務相談をしている中でも、何か変と感じる経営者の会社は業績がよくないようです。この弁護士の先生は、経営破綻した会社の経営者の共通点を話されていますが、業績の今ひとつ伸び悩む企業の経営者にも共通する要素です。事業拡大を望む方、いや、すべての経営者の方にこれらの五項目を見直しを望むところです。

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