低価格化と小型・軽量化
日頃持ち歩いているものを見直してみると、10年、20年前では信じられないほど低価格化と小型・軽量化が進んでいることに気づきます。
まずノートパソコン。20年前にパソコンを鞄に入れて持ち運ぶということは考えられなかったことで、10年前に買った軽量ノートパソコンでも2kgでしたから、技術の進歩に驚きです。また、電子辞書には何冊もの辞書が収録されて250gほど、メモリープレイヤーもたった30g余りなのにCD20~30枚分が収録できるわけですから、いずれも相当な軽量化です。また、価格も信じられないほど安くなっております。
さて、問題は低価格化です。電子機器の製造技術の進歩によって、小型・軽量化だけでなく低価格化が実現できているのだと思います。このように技術革新によって低価格化が進んでいることは素晴らしいことだと思います。これに対して、単なる価格競争による低価格化には問題があると思います。流通業界が主導していると思われる低価格競争では、過剰なコスト削減から、品質の低下や製品の安全性の低下が生じています。
安いことが消費者にとって、本当に良いことなのか考え直す時期ではないでしょうか。また、製品の低価格化は技術革新で実現すべきもので、コストカットで実現すべきものではないように思います。
多くの中小企業にとって、納入単価の引き下げは利益の減少やコストの圧縮につながり、低価格競争に足を踏み入れることは貧乏スパイラルに入っていくようなものです。低価格競争は技術改革能力の高く規模の経済性も生かせる大企業の競争戦略でしょう。
中小企業においては、大企業ではできない行き届いたサービスやニッチ市場に注力することが望ましく、自社の技術的な強みや立地条件による優位性を大切にした営業展開が大切ではないのでしょうか。
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